初登校

ナリヤが生まれてから今日まで、こんなにも切なくて心細くて不安そうな顔を、私は見たことがあっただろうか。
ずっとそんな顔だったわけじゃない。校門のところで立っている私の方を、チラリと振り返った、ほんの一瞬の表情だ。
その顔が私の目に焼き付いて、帰りは、涙と鼻水で前を向けず、ずっと下を向いて帰ってきた。

・・・また泣いてしまった・・。また・・。もういい加減にしたいものだ。